プロジェクトストーリー
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02.熱狂と絆を生んだ“100円洗車”
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小野瀬 征也
ONOSE YUKIYA
代表取締役社長
Project Outline
新規顧客の獲得を目的に“100円洗車キャンペーン”を行った小野瀬自動車。ふたを開けてみると新規顧客の獲得だけでなく、組織全体に変革をもたらしました。声を掛け合いながら挑んだスタッフの熱意が地域に伝わり、訪れたお客様からの感謝や絆が生まれる結果に。熱狂が生むポジティブな連鎖、その裏にある挑戦と感動のエピソードをご紹介。
新規顧客を呼び込む挑戦。
私が「100円洗車」を始めようと思ったのは、新規顧客の獲得が必要だと感じたからでした。自動車業界において、新しいお客様を店舗に足を運んでもらうのは簡単ではありません。そんな中、私たちの敷地に初めて車が入ってくる瞬間を増やすにはどうすればいいかを考えました。そして、「感動の手洗い洗車をたった100円で提供する」というシンプルで大胆なアイデアに行き着いたのです。
キャンペーンを始めるにあたり、社員と何度も話し合いました。「なぜ100円で洗車をするのか?」と疑問を投げかけられることもありましたが、私の答えは明確でした。「100円で提供するのは、まず私たちを知ってもらうため。そして私たちの情熱を感じてもらうためだ」と伝えました。
キャンペーンは週末の2日間、通常の営業を完全に止めて行いました。朝10時からスタートしましたが、最初の1時間は車が一台も入りませんでした。それでも、スタッフ全員で声を掛け合いながら待ち続けました。最初に黒いヴォクシーが敷地に入った瞬間、「やったぞ!」という歓声が上がり、全員の士気が一気に高まりました。この瞬間は今でも忘れられない思い出です。
組織の変化と熱狂の連鎖。
100円洗車キャンペーンがもたらした最大の成果は、新規顧客だけではありませんでした。それ以上に、私たちの組織そのものが変わったのです。スタッフ一人ひとりが、目の前にいるお客様に全力で向き合い、「喜んでもらうこと」に集中するようになりました。普段は口数が少なかったスタッフが、通りすがりの車に向かって大声で「お待ちしてます!」と声を掛けるようになり、その熱意はお客様にも伝わっていきました。
ある日、洗車を終えたお客様が「あなたたちの元気に引かれて立ち寄りました」と話してくれました。この言葉は、私たちにとって100円以上の価値を持つものでした。さらに驚くことに、キャンペーンを見て通りすがりに立ち寄った21歳の若者が、私たちの熱狂に心を揺さぶられ、「入社したい!」と面接に来たのです。実際に私たちの仲間に加わることになりましたが、その時に私は「熱狂は人を動かす力がある」と改めて実感しました。
この熱狂はスタッフ全員に波及し、「自分たちの仕事が誰かの元気に繋がっている」という誇りを生み出しました。声を掛け合い、助け合いながら働く雰囲気は、これまで以上に活気に満ちたものへと変わっていったのです。
未来へ続く、洗車が紡いだ縁。
100円洗車は、単なる集客のためのイベントではありませんでした。それは、私たちの姿勢や理念を地域に伝える重要な機会となりました。このキャンペーンを通じて私たちの敷地を訪れたお客様の多くが、その後も車検やメンテナンスでリピートしてくださるようになり、私たちの事業の基盤がさらに強固なものになったのです。
また、このイベントを通じて私たちが得たのは「感謝の連鎖」でした。お客様からの「ありがとう」の一言が、スタッフのやる気を引き出し、私たちの熱意が次のお客様を引き寄せる。この良い循環が生まれたことで、私たちはただ車を洗うだけでなく、地域に元気や笑顔を届けているのだと実感しました。
私たちはこれからも、100円洗車を単なるイベントで終わらせるのではなく、地域に愛される企業として、この取り組みを続けていきたいと考えています。小さな挑戦から始まったこの活動は、私たちの未来を繋ぐ大きな一歩となりました。